我が国固有の国技である相撲は神事(祭事)として始まり長い歴史を経て現在に至ります。いつしか大相撲とアマチュア相撲に区別され、統括団体も公益財団法人日本相撲協会と公益財団法人日本相撲連盟の二つとなりました。中央競技団体が公益認定を二つ受けている競技は他にありません。

 相撲といえば多くの人が思い浮かべるのは大相撲です。初見の人はアマチュア相撲をみて選手のことを「力士」、審判のことを「行司」と呼び蝶ネクタイを見て驚いています。しかし、アマチュア相撲は神事ではなく競技です。もちろん起源は神事ですので重んじることは大切ですが、今のアマチュア相撲は神様に捧げていませんし、そのような儀式もありません。太古より執り行われた神事としての相撲道の伝統と秩序の維持継承を大相撲が担うのなら、アマチュア相撲には似て非なる役割があるはずです。アマチュア相撲の発展を担う我々は、スポーツ競技としての相撲文化の普及発展、相撲を通じた選手の心身の健全な発達が最重要ミッションだと捉えています。
 これらの実現には、世論に目を向けニーズに合わせた運営を行うとともに、選手を力士ではなくアスリートとして接し、多角的で柔軟な指導で育てることが重要です。また、スポーツ競技の発展には、競技人口の拡大、斬新な手段、決断と行動力が必要不可です。豊富な人材と、若い力で我が国の国技を発展させます。

一般社団法人トップスターユニオン 理事長 髙木 飛翔